広島市を中心としたエリアのラーメン事情を一方的に執筆

八起

八起 ラーメン
広島県広島市中区大手町3-3-10
082-240-2266
11:00~15:00 18:00~
定休日 日・祝日

八起と書いて『はちおき』か『はっき』か・・。読み方は定かではない。

この店がのれんをかかげる大手町の裏通りは、人通りが少ないにもかかわらずちょっとしたラーメン激戦区。数十m先にはまぜ麺の『おっくん堂』があるし、汁なし担々麺の豪傑『キング軒』も歩いて十数秒である。さらには中華料理店や普通の居酒屋までがラーメンののぼりを乱立させ、大小入り乱れる混戦具合はあたかも『南シナ海』である。さらに歩けば強豪『くまごり』や『道元』、表通りに出れば札幌ラーメンの『知床』や『陽気大手町店』もあり、ここはまさに弱肉強食サバンナの生態系と言える。

さて、ランチタイムピーク後の店内に入ればお客はゼロ。これは開店休業状態か?それでも70近い女性店主はいやな顔せず受け入れてくれる。ここは臆せず『ラーメン』を注文、店内を物色する。

メニュー

メニュー構成や価格帯を見る限り、この世代が経営する店舗の典型的な型で、だとすると地味ながらも非常に基盤のしっかりした品が提供されると予想する。メニューの横には『だるまさん』の額があり、店名は『七転八起』に由来するのだと分かる。苦労してきたのだろう。

だるま

で、どういうわけか店内には音楽が一切なく、しかしWiFiは設置済みという不思議な設計だ。非常に静かな空間でただひたすら店主が労務に勤しんでおり、動きも比較的スローで、しかし無駄がない。外はのどかでこれまた雑音が無く、店主がチャーシューを切る音のみが午後の陽気に吸い込まれ…。これは山田洋監督作品のワンシーンでも使えそうな名場面である。

しばらくすると急に濃い目のとんこつ臭が漂い始める。今まで鍋に火が入っていなかったのだ。となるとこれは開戦の狼煙で、一気にボルテージは沸き上がる。スロー&無音状態で比較的長く感じたが、品の提供に要した時間はわずかに3分15秒0。ゆでる時間も短かったが無駄のない動きは本物であった。

ラーメン

見れば風貌は博多というより筑豊~熊本で、程よく濃厚な気配である。

口に含めば良質の九州で、カタめの細麺ストレート(hmSt.)ととんこつのゴリゴリが秀逸。第一印象は非常によろしく、これはなかなかの逸品である。広島では博多勢による代理戦争が依然白熱しているが、あれらと比べると非常に地味で、おそらくはジャンルも少し違うのだろうが、それでも予想どおり基盤は非常に磐石であり、バランスがすこぶる良い。こういった丸くて堅実な仕事はオールド広島の名店と共通するもので、あの世代の誇るべき美点と言える。擬人化すれば『ドリーファンクJr.』あたりが妥当だろうか。

スープ

全体としてはあっさりとした印象なのだが、みれば油膜ができるほどのオイリー具合でライトかつフルボディとくれば、華も演出もない分もう『老獪』以外に表現のしようがない。

チャーシュー

チャーシューは肉厚でしかも3枚入りだからちょっとしたイベントである。味は薄めだが、香りが満ちる芳香系で、特濃路線から一線を画す。こういう良質な『食』というのは野心とかイノベーションとかとは別の領域に属し、長年ひたすら一途に続けてきた結果として命が宿ってくるものなのだろう。

チャーシュー

しばらくスープを堪能するが、臭いが強いわりにあっさりしており、油膜のテラテラがうそのようである。どういう調合かは分からんが、あれだけ豚骨フェロモンをぶちまけておいて、ボディは鶏ガラ主力で構成されているのではないか?ともあれ奥深い一方で無駄なしょっぱさも無く、ひさびさに最後まで無理なくスープを頂けたのであった。

この店は厨房も中まで全部見渡せるし、麺の袋もメーカーが見えるように置いてあって、強豪とかライバルとか、そういったものは一切気にしない境地に入っている。家庭の台所で母親が調理しているような平凡さと暖かさがあって、洗練されていない分急激に親しみが芽生える。後から食事に入ってきた業者とのやり取りを聞くにつれ、店主はソフトで真面目な人柄であると知る。

会計時、無様にもおつりをとり損ねてどんぶりの中に落としてしまったのだが、すかさずとりあげて新しい銭と交換してくれたのはマニュアルでも何でもなく、当たり前の真心によるものである。

一般的に、洗練を極めたサービスは確かに美しいが、本来は心の結果としてサービスがあるのが最良なのは言うまでもない。その意味でも昭和ど真ん中の当店は、人々にもおすすめしたい優良な店舗と断言できるのである。

尚、聞けばやはり熊本ラーメンの流れなのだとか。この界隈の生態系はまこと熱いわ。

また来たい。星8つ。

広島大手町にある八起の外観

大きな地図で見る
ノーコメントこれから頑張れ発展途上まだまだイケる並まあ良いのでは?なかなか美味いねこれは美味い!!広島最高峰広島の誇り★
投票数 102 , 得点平均: 6.59
Loading...

ご意見番の声を聞け!

  1. 初訪問。
    ラーメン半ピラフを注文。

    接客も良くまずまずおいしいのだが。。
    全体的に少し油っぽい。
    麺に対してスープの量が少なすぎる。

    その2点が気になり、少し満足感に欠けました。

    近くにあればまた行くかもだが、
    車飛ばしてまで行くことはないかなあ。。
    という感じでした。

    ただ、おばちゃんが一生懸命がんばっているお店。
    応援はしたいお店でした!

  2. ずっと「はっき」だと思ってた…「やおき」なんですね。反省。orz

    フラフラと昼食求めて歩く大手町界隈。
    「歩いていこう」お休み。「デリカセロリ」店外まで行列。「キング軒」も待ち人あり。ん~…
    悩みながら歩いていると、目の前に「八起」登場。こりゃ運命とばかりに初訪問した次第です。

    優しそうな女性お二人(親子?)が切り盛りする店内。「いらっしゃいませ」の声と共に、旨い店特有のあのとんこつ臭が鼻を襲う!おおっ!こりゃ期待できる!
    カウンターのみの店内、空き席に滑り込んで注文したのはチャーシューラーメン。「初回はノーマル」がポリシーの私にしては珍しい冒険なれど、これが後のヴァルハラを招き入れることとなる。

    お忙しくされてる中で待つこと5分、ラーメン登場。なるほど。のれんに掲げられてる「九州ラーメン」、これがその答えとな。
    純とんこつのスープ、細麺…はちょっと縮れてますね、九州ではよく出会うキクラゲ、そして…そのすべてを凌駕するチャーシュー。
    見て、嗅いだだけで味がわかる恐るべき説得力。すげー絵力。いやいやいや、実際はホントにそうかわからんじゃーないですかしょーがねぇなぁイタダキマスズズズッ!

    想 像 通 り !

    ともすれば甘みも感じるスープ、すすり上げる細麺は香りの宝庫。こんなンまずいわけがない。
    合間のアクセントにキクラゲって、つくづくよく考えられてるわー。あ、九州系でもう1つのよくある具材「紅ショウガ」は、備え付けの瓶に入っててラーメンの初期装備ではありません。私のような苦手な人にはありがたい。
    なんと言ってもチャーシューの完成度に驚かされた。豚バラプルプル系のチャーシューであまり当たりを引いたことのない私が、思わずうなった!これスゴイ!理想に近い完璧さです!
    歯もいらない柔らかさもさることながら、その漬けダレの風味の超好みなこと!うまいよこれ!これだけでメシ食えるよ!おつまみチャーシューがメニューにあるのが頷けるしありがたいよ!(感涙)
    チャーシューラーメン頼んだんだからチャーシューが5枚もあって幸せが×5!×5!うはははは!飲める!チャーシューが飲めるるるるるんっ!

    気づけばスープまで無くなっていました。蒸発かな?乾燥してるのかなぁ…←すっとぼけ。
    丼の底は2体の鳳凰。キレイね。

    いやー旨かった。
    「はりがね」「阿吽」が硬派ならば、こちらは優しさの九州ラーメン。甲乙つけがたく。
    ゴチソウサマデシタ。

    1. ピラフ(ピラフとは言っていない)。
      というわけで、こちらの“ピラフ”です。ラーメン屋でチャーハンは珍しくないですが、ここでの炒め飯はなぜかピラフ。

      私の認識では、
      ピラフ…みじん切り野菜とご飯をバターで炒めた料理。
      チャーハン…溶き卵とご飯を炒めて野菜とか肉とかブチ込んで塩胡椒して強火でゥオラッシャーッ!って料理。
      …あんま変わらな(略)
      まぁもしかしたらピラフも合うのかな?ご飯食いたかったのもあって、初めて「ラーメンピラフ」¥950を注文してみました。

      先に出てきたのはピラフ。つーか、作り方も一般的なチャーハンと何ら変わらないような?
      まず見た目。…具が、無い。野菜らしきものは見受けられない。わずかに見えるは肉。しかも細かく、ベーコン並みによく火が通してある。
      むむ?これがピラフ?

      何はともあれ食べてみよう。ぴょいパクっモグモグ…ゴクン。
      ふむ。肉の脂だけで炒めたご飯と、それを覆う強い胡椒の味。なるほど…声を大にして申し上げる。 大 好 き だ !
      老舗の中華屋チャーハンと言うべきか、この!この!この油と調味料でまとめ上げた味が最高級に私のフェイバリッド!うはははは!
      肉の脂のみというのもポイント高い!この旨みの根本がこれ!そりゃ胡椒これだけ効いててもスコスコ食えるわ!食い過ぎて、後のラーメンすすったときに口内刺激だらけで味が【検閲削除】

      ラーメンは言うまでもなく素晴らしい味でしたが、今回の発見はピラフ!ここにこんな私好みのブツが転がっていようとは。
      訪問頻度が上がりそうです。ムフフ…

      1. 某魚類さま
        はじめまして。
        こちらのチャーハンがピラフとメニュー表記されてるのは下記の理由からではないでしょうか?
        調理過程を凝視していればわかるのですが、オーダーが通ると冷蔵庫からタッパーに入ったご飯を出されます。このご飯の色が薄茶色・・・たぶんスープで炊き上げて、ある程度味付けがしてあるように思われます。(スープで炊くからピラフ?)
        それをフライパンに入れ、味付けミンチを加えて炒め上げます。(この過程はチャーハンですけどね)
        勝手な推測ですが、上記の理由からピラフって名づけたのかなぁと思ってます。
        ちなみにこちらのお店、私も大好きです。熊本・久留米くらいのラーメンだと思うのですが、博多ラーメンとも違う独特の路線を行く老舗ですよね。

        1. ご丁寧な解説、痛み入ります。
          なるほど。腑に落ちました。あのスープで炊きあげているのなら、特濃激旨肉風味も納得です。ミンチであれば、確かに肉風味の脂上乗せもされますね。ホンマ大好き風味ですわ。
          ピラフ調理は、「週刊少年マガジンを読む」という手の放せない重要作業の最中だったため、横目でチラ見程度でした。フライパン?中華鍋?であおられる米から、安易にチャーハンを連想いたしましたが…次回はガン見してみます。

          私の熊本ラーメンデビューは、もう20年以上前。藤崎八旛宮近く、今は無き「藤崎ラーメン」でした。あの強烈なインパクトを超える店には未だに出会えておりません。翌日の仕事に、残ったニンニク臭がどんだけ影響したか…(自業自得)
          こちらのラーメンは、とても優しい味なのに、そのときの風味が思い出されますね。うれしい限りです。

  3. ラーメンには特にこだわりない私でしたが、
    普通にゴクゴク飲み干してしまうスープは、
    豚骨オンリーなのにサラッとした中にもコク有。
    すっかり八起のラーメンに嵌まりました。
    一緒にお店に行ってた今は県外のおでんくんには
    お土産ラーメン味わって貰ってます。

  4. 以前、仕事で大手町に滞在してた事があります。
    当時はよく八起さんに行ってビールとおでん
    &ラーメンでした
    昨年から始められたお土産ラーメン、
    今年の年越しも八起のラーメンです。

  5. 昼飯時を避け、落ち着いた時間帯におじゃましました。
    スープの、あの特徴的な深みある香りが物語る、しっかりとした味わい深い一杯でした。
    落ち着いた店内の雰囲気も、味に入り込むにはうってつけな環境とも言えましょう。
    豚骨魂を、髄の隅々まで大事にされておられる店主に脱帽です。
    満足しました。
    ご馳走さま。

  6. 【営業時間は昼15時まで、夜24時過ぎまで】準備中のあるお店の中では
    終わり時間が少し遅く、職場が近い私は、ちょっと覗いて開いてたら食べれます。

    うちの家族にもと、大手町3丁目の方の様に出前をお願いするには家は遠い、
    で登場した持ち帰りお土産ラーメンは、早速うちの定番となりました。
    お値段も一緒っていうのも嬉しいです。

  7. かためん
    ラーメンタレ多目
    油多目
    お願いしたら快く受けてくれました
    替え玉もOKでした

    ピラフ??も美味しかったよ

  8. 何も知らなくてフラ~っと入ったのだけど…
    文句ナシの美味さに秒殺された!!!
    おばちゃん…カンフーの達人並のオーラww

  9. 昔ながらの味で九州出身のおじさん達が喜びそうな味。
    がんばっておいしくさせた今風でなく
    ちょっと臭みの残ったさっぱりしたスープに
    柔らかめの麺が絡む。

  10. この間始めて行ってみたけど濃厚なのにサッパリした味のトンコツでとても食べやすかった!
    わがまま言えばラーメンが来た時にはもう麺が柔らかかったから猫舌麺固め好きとしては茹で時間もう少し短めでもいいなって感じでした!麺自体もスープにいい具合に絡まっててとてもよい!

  11. 「やおき」好きです。オーソドックスなラーメンで万人向けかと。リーズナブルなのも魅力の1つです。

  12. お土産ラーメンは数に限定ありと聞き
    予約して持ち帰りました。
    簡単調理で自宅で美味しく頂けました。

  13. お持ち帰り用の【お土産ラーメン】が近々登場とか。
    楽しみです。

  14. 近所には本当にたくさんの飲食店・ラーメン店があるのですが、
    結局ここに一番行きたいと思ってしまいます。
    最後までおいしくて、おばちゃんを見ているだけで落ち着きます。

  15. 13時頃行ってみた
    実は前日、前々日と通りかかったのだが閉まっていたので
    こりゃ昼時じゃないと喰えないなと思い、早めに出陣した
    客は一人、大盛りラーメンを注文し漫画(美味しんぼ)を読む
    やっと念願のラーメンにありつけた
    スープを一口、美味いの一言に尽きる
    チャーシューも分厚く存在感あるラーメンだった
    それに安い、色々なラーメン屋を喰いあさって来たが
    大盛りで650円は安いと思う

  16. ここはよく行きますが、ほんとにおいしい。
    隠れた名店。

貴殿の声を聞かせてくれ!

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。

画像があれば投稿してくれ!! (JPEGで頼む)