広島市を中心としたエリアのラーメン事情を一方的に執筆

ホームラン

呉の中華そば ホームラン
広島県呉市中央4-3-10
0823-22-0721
11:00-15:00
18:00-21:00
11:00-19:00(日祝)
定休日 水曜日

広島県第三の都市であるにもかかわらず、吉野家も天下一品も、そしてかつてはマクドナルドすらも出店を躊躇してきた異色の特選街、呉。それは一種の戦力空白地帯であり、かつて帝国海軍の中枢として君臨した激動の時代から、様相は様変わりしてしまったと言っていい。

そんな呉市街地の中心部、市役所真ん前の超一等地に長年暖簾を掲げ続ける根性店がホームランである。ネーミング自体、現代ではもはやあり得ない希少なセンスであり、人名で置き換えるならば権兵衛とか平八郎とかいった類か。ともあれ往年のパワー世代の残光をひしひしと感じて、切なさと眩しさが6:4で湧き上がる。

店に入れば店内の朽ち具合は相当年季が入っており、しかしコンセプトに忠実に、カープのデイゲームが高音質で中継されている。そしてカウンター内には海千山千的な女将が布陣、加えてかなり臭めの豚骨臭が圧倒してくるから心臓の弱いガキなどはドキドキして失敗してしまうかもしれない。もちろん私はこういうのが大好きなのは言うまでもない。ここは王道の『中華そば』で正面突破を図る。

メニュー

それにしても近年の呉市街地の衰退は凄まじい。空き地か鬼ボロ物件かパチ屋が主役で、あとはシャッターだから、これは広島市の近未来予想図と言えなくもない。冒頭で当店は市役所真ん前の一等地であると書いたが、実際にはこの区画はローソンすら逃げ出した経済不毛地帯だったりする。

呉市街

というわけで、計測9:51.4、かなり長めのインターバルを経て主役の登場となる。時間がかかったのは女将がもうくたびれているというのもあるだろうし、そもそも時間の流れがゆったりと弛緩しているせいもあるだろう。

ホームランの中華そば

見た目は平凡そのものだが、どこかに哀愁があるのは器の年季によるものか。味は広島市内の王道的な醤油豚骨のカテゴリー内だが、鼻腔を占拠し続ける豚骨の臭みは秀逸としか言いようがない。麺が若干ブヨっているのは、単にのびたのか、それとも芸風か。どちらにしろ、もう少し硬めの方が好みであるな。香りを除けばスープにも特筆すべき点は無く、丸い感じがやはり広島的であると言える。

スープ

チャーシューは脂身の部分と肉質の部分、切れ端の部分が混在で三者三様の特質が華。これはラッキーだ。比較的硬めで豚臭さがしっかりしみこんだ優良品質であり、常にもやしがシャキシャキしている展開において、間違いなく本日の主役であった。

チャーシュー

ほぼ食べ終わってスープを嗜むが、しょっぱさなど皆無の超バランス型で、非常にマイルドであるコトに気づく。ヌメッた感じも無く、またもたれる感じも一切ない。余分なものが添加されていない、地味ながらもまこと良質な部類だろう。

麺とスープ

そして、これだけは書いておかねばなるまい。スープにゴッソリと沈殿する、あの『ザラザラ』だ。まるで海砂のようにそこに存在する様は挑戦的であり、この店でしか出会えない強烈なアイデンティティと断言する。これは煮倒した豚骨から崩れ出た骨髄であり、粉砕されたままかなりの量がスープに堂々と混入しているもの。文字通りに破壊的かつ傍若無人そのもので、苦手な人も少なくないという。それでもウン十年これをやり続けているのだから、まさにお家芸と言えるだろうし、私のような者などは薬物を打ち込まれたかのような錯覚すら覚える。豚足が大好きで、軟骨の細部まで喰らい尽くすような野生派硬骨漢の御仁であれば、細胞記憶がビシバシと共鳴を始めて止まないはずだ。

総論としてはもうワンパンチ欲しいところだが、あの臭いとザラザラによって私などの満足度はかなり高いところに達した。もちろん退廃的な店内と市街地のコラボ効果で特異な精神状態にあったことも影響しただろう。店内には天然記念物のメダカもいるし、女将の濃密さも呉っぽくて良い。
まこと得難き食体験であった。星8つ。

めだか

外観

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ノーコメントこれから頑張れ発展途上まだまだイケる並まあ良いのでは?なかなか美味いねこれは美味い!!広島最高峰広島の誇り★
投票数 87 , 得点平均: 6.25
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ご意見番の声を聞け!

  1. ホームランスペシャル(冷麺とラーメンのセット)頼む人おるんかな?と思いました。塩分が足りないと思ったら、おばちゃんに言えば醤油ダレを出してくれます。

  2. 私にとっては「三振」の方でした…

    ドライブがてら相方と訪問。
    このページの開店情報を参照させていただき訪問しましたが、日曜日の15:30は閉まってました。orz
    にしても、換気扇回ってるしとんこつの臭いするしで、おそらく夕方オープンされるのかな?とアタリを付けて待つことに。
    なんやかんやと時間をつぶし、17:00を過ぎたあたりで意を決して再訪問。おおっ!やっぱ開いてた!と、ようやく訪問できました。やれやれ…

    カウンター内には女将一人。お一人で切り盛りされてるのでしょうか?
    小さなスナックを居抜きしたような店内。その風貌は…天井にいっぱい設置されたミニ提灯、壁に貼られたサイン色紙や演歌歌手のチラシ、テーブルにはウェットティッシュや灰皿、いろいろと雑多な印象…
    先人には常連さんらしいオバチャン、私たちの後にも常連ニーチャン一人。地元に愛されてる感じですね。

    サイン色紙には、よく見るラーメン専門家の石神氏のものも。「伝統の一斗缶ラーメン!」の言葉を残してらっしゃいましたが…見る限り、一斗缶は見当たりません。スープも寸胴だし。
    まぁそんなことはさておき、注文から5分ちょっとかな?中華そば登場です。さっそくスープをズズズズズ…

    思わず、相方と見つめ合ってしまいました。悪い意味で。

    まず、臭い。とんこつ臭ならば問題なく大好物なのですが、私はシナチクの、相方はチャーシューの臭いが気になりました、シナチクは、どうにも苦手方面の重曹系?の臭い…
    スープについては、舌触りの骨粉系ザラザラも気になり、その重めのボディーも相まってウムムムム…な印象。
    麺。ちょっと柔らかすぎでしょうか。味も、スープの強い風味に押されてウムムムム…
    モヤシのゆで具合やシャキシャキの刻みネギなどは◎。ウマイ。なるほど。

    1玉分の麺も、他より多めな気がします。それも悪い方向に働き、相方が早々ギブアップ。残りを私がいただくことに。重い…
    皆様のレビューを見ていると、今回のスープのできがたまたま合わなかったのか?と思う次第です。残念。

  3. 店の周辺から香ってくる馨しい匂いは豚骨ファンとしては嬉しくなりました。昨今そういうお店は減っているので。
    ただ、こちらのラーメンは、店名の通り人によって文字通り「ホームラン」か「三振」かに分かれるのではないでしょうか。

  4. こんにちわ。先日、この「ホームラン」の話をしていて久々に行きたくなりました。
    蔵本通りで、おじちゃんが鼻唄を歌いながら麺を茹でていたころから行っていたクチです(笑)
    最後に行ったのが約10年前…。なんだか、おばちゃんの覇気がなくなってたので行かなくなっち
    まいました。

    でも、今度呉に帰ったら行ってみよっかな~。
    開いてたらいいな~(^_^;)(気まぐれによく店休んでたので)

    このホームページ面白いですね!早速ブクマします♪
    腹減ってる時は見ないようにします(*^。^*)

  5. こんにちは。ここしばらく行ってないですけどこの店のは適度に濃くて
    仙八(※来々軒)なき後の呉の店の中では一番好きです。ところでここ、
    確か先代の屋台のころからのやりかたのまま一斗缶でスープ炊き出して
    ましたけどそれは今も変わってないでしょうか?願わくばそういう部分
    は是非残してもらいたいものです。

  6. こんにちは。呉のラーメンを採り上げていただいて有難うございます。
    呉を離れて三十余年ですが、久々にこのお店周辺のことを思い出しました。
    「広島ラーメン」呉にもあるんですねぇ。皆「モリス」と「珍来軒」しか
    知らないと思ってました。今後帰呉することがあったら行ってみます。

貴殿の声を聞かせてくれ!

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