広島市を中心としたエリアのラーメン事情を一方的に執筆

おざき

中華そば おざき
広島県広島市中区大手町5-8-5
082-243-0250
11:30~13:00
17:30~24:00(L.O.23:30)
土日祝 17:00~23:00(L.O.22:30)
定休日 土日に不定休

おそらくはおばちゃんの名前がそうなのだろう。すなわち『おざき』。世代によっては尾崎豊で、さらに上の世代は尾崎紀世彦だろうが、ここ鷹ノ橋では、当店こそが尾崎なのだから仕方ない。目の前には以前に強襲をかけた『楼蘭』があるが、そんな事はおかまいなしにひっそりと営業を続けているかに見える。

店内は往年の飲み屋風で、窮屈な造りながらも回顧的情緒がにじむ。カウンター上に陳列されたおかず類やおでんが見事すぎるレトロ具合で、ここは団塊世代の独壇場。実際には古戦場的な夢のあとで、くたびれた感は否めないが、それでもちょっとしたとんこつ臭が食欲を刺激してやまないのである。

という事で、ここは迷わず『中華そば』を注文となった。

メニュー

それにしてもこのテの営業スタイル(飲み屋主体の屋台系飲食)は、完全に斜陽を過ぎ、もやは落日の最後の閃光といったところだが、平均寿命が伸びに伸びているから、顧客もそれなりに維持されているという事か。若い人間は絶対にこういう店を選ばないものだが、一方で、実際に入ってみればかなりの確率で人間同士の近さに安心感を覚えるだろう。震災以降は特にな。

で、計測 2.24.5 おざき婦人による『中華そば』が登場する事となったのである。

中華そば

風貌はこれ以上ないほどに平凡平坦なものだが、婦人の手によってたった今刻まれたばかりのネギがまぶしい。新興勢力の店舗においては、しなちくはもはや絶滅危惧種だが、広島ラーメンの基本トッピングにおいて、しなちくは必須アイテムだという。これを忠実に守っていると思われるのが大陸まで源流を遡れそうな広島の化石、『上海総本店』だが、その点では当店も基本に忠実かつ、戦後の系統樹から変わらないスタイルで今に生き残っていると言える。

食した第一印象は特に無い。と言うか広島ラーメンの定番王道で、観光客が一番困るタイプかもしれない。パンチが弱くマイルドで、クセが無いので本性が掴みづらいと言えそうだ。もちろん不味いものではない。しいて特徴を挙げれば麺か。中細~中の麺は他の旧世代店舗では採用されていないもので、若干プリッとした食感は札幌の流れを感じる。

電車通りを挟んで向かいにある『勝ちゃんラーメン』が近い感じの良質麺を採用していたが、この界隈にそういう芸風の製麺業者でもあるのだろうか?

もやしとネギ

麺に主張がある分、もやしとネギの歯ごたえが相対的に下がるわけだが、みずみずしさも手伝って両者のバランスがちょうど良い。恐ろしく地味なポイントだがここは重要だ。調味料ゴリ押しで暴走する店舗などはこういう無意識の領域が粗雑にされているケースが多く、まあ一番分かりやすい例はロープライス系の居酒屋だな。よって丁寧に食べている者にとっては、こういう小さな芸も好感へと成り代わるのである。

チャーシュー

チャーシューはスーパーにある中華そばのチャーシューと同じ系統のもので、つまりこれも基本に超忠実な路線である。もちろんしっかり厚みがあるから貧相な感じは無い。主張は弱いが脂身がドロドロと領海侵犯してくるようなコアなチャーシューとは一線を画す、良識派最後の砦と見た。個人的には醤油やにんにくがジットリと染み出してくるような系譜を愛するが、こちらはこちらで懐かしき広島の故郷であると言えよう。

スープ

スープはライトミディアムでノーマルなシビックと言ったところ。円熟と言うまでには極まっておらず、どちらかと言えば平凡の範疇にある。比重はとんこつよりも醤油にあり、しかし表面には薄いゼラチン油膜がテカっているくらいなので線の細さは感じない。最後まで飲むとのどがカラカラしてきそうなので、ほどほどにしておくのが良い別れ方だろう。

総合的に見て名店や新進気鋭の人気店とは比較すべくもないが、こういうタイプのお店は味や品質だけで判断するものではないだろう。近所の親父の寂しさを紛らわしながら商店街を守る最後のともし火として、地域の経済と人情を中継する重要スポット。わざわざ遠方から喰いに来る価値はなさそうだが、一方で近所の浪人からご隠居にとってはハズせない要衝となっている可能性は否定できないだろう。

あと何年続くかは不明だが、寒い夜に熱燗とおでんでも頂きに再訪したいものである。

星5つ。

おざき

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ノーコメントこれから頑張れ発展途上まだまだイケる並まあ良いのでは?なかなか美味いねこれは美味い!!広島最高峰広島の誇り★
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ご意見番の声を聞け!

  1. ちょっと前ですが、壁メニュー刷新。
    記事の頃から、変更2回目かしら?レギュラーメニューとして生センマイin。納得の旨さ。
    他にも「その日のメニュー」がホワイトボードにあります。こっちからレギュラーメニュー入り濃厚なのが「ホルモン辛炒め」。これたまらん。めっさビールに合う。
    おでんもイイ。つまみもイイ。もぉどれから行くか迷いに迷いまくりんぐですわ~。

    ※ラーメン屋です。

  2. 美味しくないふりをした(元祖広島系)中華そば・・目立たず目立たず>> こっそりと

  3. 広島ラーメンの王道。
    昔から作り上げられたスープのキレとコクが、私の好みにピッタリです。
    麺のゆで加減が日々変化するのはご愛敬?
    店の雰囲気も含めて大好きなお店です。

    1. 特に夜営業の魅力を、個人的見解でご紹介。

      まず、入店前に入り口の野良猫で癒やされる。
      この辺の野良猫は警戒心強いけど、店近辺のは比較的人なつこい。(直訳:おそらくエサ目当て)
      テーブル上に寝転んでいるヤツなんか触らせてくれたりする。※手を洗いましょう。

      入店して、早速ラーメン…ではなく、まず生ビール。そしておつまみ。
      壁メニューのもいいけど、その日限りのお母さん手作り総菜がオススメ。写真はネギトロと、ナス煮浸し&マカロニサラダ盛り合わせ。定番で生センマイも置いてあるし、多いときは8品くらいあるのでホクホク。

      調子が上がってきたらおでん。
      おでんのネタもその日次第。煮込まれた大根や牛すじの、味の染み渡ってること…。たまご、糸こんにゃく、角天、etc…
      暑い時期は無い日もありますが、だいたい大丈夫。今年は盆前後の5日間くらいだけ無い日があったようです。

      たくさんいただいて、よし、いよいよ、いよいよですよ。ここからが本番。
      うん、おなかいっぱいなので、 帰 る !これサイコー!あはははは!
      って ラ ー メ ン は ぁ っ !?
      いや、食い過ぎても大丈夫。「半麺」あります。
      シメにもピッタリですよ。昔から変わらぬ味です。いや日々ブレて変わってるんでしょうが。(ぇー!

      何はともあれ、とても落ち着くお店です。ちょっと一杯でも行きたくなりますね。

  4. 中華そばの老舗に相応しい一杯、ご馳走さまでした。
    女将の優しさが汲み取れる口当たりと、しっかり守られた深みある味わいを堪能しました。
    また寄らせて貰います。

貴殿の声を聞かせてくれ!

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